NPBドラフトのくじ引き勝率
私の応援するファイターズが、7球団が競合した高校屈指のスラッガー清宮選手の交渉権を得たことより、「ファイターズはくじ運がいい」というのをtwitterなどでよく目にしましたので、果たしてそれが本当か、調べてみました。
期間は、高校と大学社会人の分離ドラフトが撤廃され、現在とほぼ同じ仕組みとなった2008年から今年までの10年分で比較し、くじ引きにおける勝率上位からカウントアップ方式で紹介します。隅カッコ【】内は、1巡目のみを考慮した成績です。また、選手名は敬称略とさせて頂きます。
千葉ロッテマリーンズ
1位 7勝4敗 .636【3勝4敗 .429 3位】
勝率1位はマリーンズ。勝率6割超えは圧倒的ですね。1巡目の抽選で外れた場合の全てにおいて2巡目がくじ引きとなる選手を指名し、そこで必ず交渉権を確保しているという、確率的にはちょっと恐ろしいことになっています。
2008：木村雄太 2009：荻野貴司 2010：×斎藤佑樹(4) → ○伊志嶺翔大(2) 2011：○藤岡貴裕(3) 2012：×藤浪晋太郎(4) → ○松永昂大(2) 2013：○石川歩(2) 2014：中村奨吾 2015：○平沢大河(2) 2016：×田中正義(5) → ○佐々木千隼(5) 2017：×清宮幸太郎(7) → ○安田尚憲(3)
埼玉西武ライオンズ
2位 3勝2敗 .600【2勝2敗 .500 1位】
ライオンズは初期の雄星と大石の1/6を2年連続で引き当てた例が目立ちますが、それ以降はそもそも抽選にはならず単独指名となることが多いですね。抽選回数は全球団の中で一番少ない数字となっています。
2008：中崎雄太 2009：○菊池雄星(6) 2010：○大石達也(6) 2011：十亀剣 2012：×東浜巨(3) → ○増田達至(2) 2013：森友哉 2014：高橋光成 2015：多和田真三郎 2016：今井達也 2017：×田嶋大樹(2) → 齊藤大将
中日ドラゴンズ
3位 4勝4敗 .500【3勝4敗 .429 3位】
ドラゴンズは多くのチームが競合した時に当てている訳ではないので、印象と勝率が一番異なっているチームかもしれませんね。
2008：○野本圭(2) 2009：×菊池雄星(6) → 岡田俊哉 2010：大野雄大 2011：○高橋周平(3) 2012：福谷浩司 2013：×松井裕樹(5) → 鈴木翔太 2014：野村亮介 2015：×高橋純平(3) → ○小笠原慎之介(2) 2016：○柳裕也(2) 2017：×中村奨成(2) → 鈴木博志
東北楽天ゴールデンイーグルス
4位 5勝7敗 .417【3勝6敗 .333 6位】
1巡目で競合しなかったのが2016年の1回だけというのは、全チーム中最小の数値。競合を恐れず指名するのはハムのイメージが強いですが、イーグルスのほうがそれを上回っております。 2008：×野本圭(2) → ○藤原紘通(2) 2009：×菊池雄星(6) → 戸村健次 2010：×大石達也(6) → ○塩見貴洋(2) 2011：×藤岡貴裕(3) → 武藤好貴 2012：○森雄大(2) 2013：○松井裕樹(5) 2014：○安樂智大(2) 2015：×平沢大河(2) → オコエ瑠偉 2016：藤平尚真 2017：×清宮幸太郎(7) → ×村上宗隆(3) → 近藤弘樹
北海道日本ハムファイターズ
5位 4勝8敗 .333【4勝4敗 .500 1位】
ここで本題のファイターズ。勝率.333は意外に少ない思われた方も結構いるかと思います。注目は、1巡目のみに限った場合は、ライオンズと並んで勝率1位と言う部分ですね。その年に1番の話題だった斎藤佑樹と清宮、そして別の意味で話題になった菅野と有名どころを多く引き当てているのが、「ハムはくじ運が強い」という印象を強くする原因かと思います。
2008：大野奨太 2009：×菊池雄星(6) → 中村勝 2010：○斎藤佑樹(4) 2011：○菅野智之(2)*1 2012：大谷翔平| 2013：×松井裕樹(5) → ×柿田裕太(3) → ×岩貞祐太(2) → 渡邉諒 2014：○有原航平(4) 2015：×高橋純平(3) → ×小笠原慎之介(2) → 上原健太 2016：×田中正義(5) → ×佐々木千隼(5) → 堀瑞輝 2017：○清宮幸太郎(7)
福岡ソフトバンクホークス
6位 3勝7敗 .300【3勝4敗 .429 3位】
今年3連敗したせいでかなり勝率を落としましたが、大戦力を誇るホークスのくじ運はかなり上位のレベルにあります。 2008：×大田泰示(2) → 巽真悟 2009：今宮健太 2010：×斎藤佑樹(4) → 山下斐紹 2011：武田翔太 2012：○東浜巨(3) 2013：×松井裕樹(5) → ×杉浦稔大(2) → 加治屋蓮 2014：松本裕樹 2015：○高橋純平(3) 2016：○田中正義(5) 2017：×清宮幸太郎(7) → ×安田尚憲(3) → ×馬場皐輔(2) → 吉住晴斗
横浜DeNAベイスターズ*2
7位 3勝8敗 .273【1勝6敗 .143 11位】
全体勝率は7位ですが、1巡目の指名は10年前しか当てておらず1巡目のみの順位だと11位に沈んでいます。そんな中、今年のCS出場に貢献した筒香と今永を単独指名しているなど、ドラフト指名に強かさも見えます。 2008：○松本啓二朗(2) 2009：筒香嘉智 2010：×大石達也(6) → 須田幸太 2011：×藤岡貴裕(3) → ×松本竜也(2) → 北方悠誠 2012：×東浜巨(3) → 白崎浩之 2013：×松井裕樹(5) → ○柿田裕太(3) 2014：×有原航平(4) → ○山崎康晃(2) 2015：今永昇太 2016：×柳裕也(2) → ×佐々木千隼(5) → 茺口遥大 2017：東克樹
東京ヤクルトスワローズ
8位 3勝9敗 .250【0勝8敗 .000 12位】
ハズレのハズレの1位で日本を代表する打者となった山田哲人を引き当ててはいますが、1巡目のみを見ると0勝8敗と最下位に沈んでいます。1位を抽選で引き当てたのは、分離ドラフトではありますが、2007年の由規以来出ていません。 2008：赤川克紀 2009：×菊池雄星(6) → 中澤雅人 2010：×斎藤佑樹(4) → ×塩見貴洋(2) → ○山田哲人(2) 2011：×高橋周平(3) → 川上竜平 2012：×藤浪晋太郎(4) → 石山泰稚 2013：×大瀬良大地(3) → ○杉浦稔大(2) 2014：×安樂智大(2) → 竹下真吾 2015：×高山俊(2) → 原樹理 2016：寺島成輝 2017：×清宮幸太郎(7) → ○村上宗隆(3)
広島東洋カープ
8位 2勝6敗 .250【2勝4敗 .333 6位】
抽選形式になっても、カープは比較的独自路線をいっています。
2008：岩本貴裕 2009：今村猛 2010：×大石達也(6) → 福井優也 2011：野村祐輔 2012：×森雄大(2) → ×増田達至(2) → 高橋大樹 2013：○大瀬良大地(3) 2014：×有原航平(4) → 野間峻祥 2015：岡田明丈 2016：×田中正義(5) → ×佐々木千隼(5) → 加藤拓也 2017：○中村奨成(2)
読売ジャイアンツ
8位 2勝6敗 .250【1勝4敗 .200 10位】
明確な根拠があるわけではありませんが、長野・澤村・菅野は囲い込みがあったという話もあり、ジャイアンツはそもそも抽選になっているケースが少ないですね。
2008：○大田泰示(2) 2009：長野久義 2010：澤村拓一 2011：×菅野智之(2) → ○松本竜也(2) 2012：菅野智之 2013：×石川歩(2) → 小林誠司 2014：岡本和真 2015：桜井俊貴 2016：×田中正義(5) → ×佐々木千隼(5) → 吉川尚輝 2017：×清宮幸太郎(7) → ×村上宗隆(3) → 鍬原拓也
阪神タイガース
11位 3勝10敗 .231【2勝6敗 .250 8位】
有名どころに突撃して抽選で爆死している印象の強いタイガースですが、ここ10年だと抽選になった回数は全チーム中最大となっています。勝率は11位ということでお察しください……
2008：×松本啓二朗(2) → ×藤原紘通(2) → 蕭一傑 2009：×菊池雄星(6) → 二神一人 2010：×大石達也(6) → 榎田大樹 2011：伊藤隼太 2012：○藤浪晋太郎(4) 2013：×大瀬良大地(3) → ×柿田裕太(3) → ○岩貞祐太(2) 2014：×有原航平(4) → ×山崎康晃(2) → 横山雄哉 2015：○高山俊(2) 2016：大山悠輔 2017：×清宮幸太郎(7) → ×安田尚憲(3) → ○馬場皐輔(2)
オリックスバファローズ
12位 1勝6敗 .143【1勝3敗 .250 8位】
バファローズは、1998年の新垣渚*3以来抽選で引き当てた例がなかったせいか、ここ数年一本釣りで指名していましたが、今年は田嶋を抽選で見事引き当てました。正直なところ1998年は色々あったのですが、気にかかるジンクスが解消されたのはいいことだと思います。
2008：甲斐拓哉 2009：古川秀一 2010：×大石達也(6) → ×伊志嶺翔大(2) → ×山田哲人(2) → 後藤駿太 2011：×高橋周平(3) → 安達了一 2012：×藤浪晋太郎(4) → ×松永昂大(2) → 松葉貴大 2013：吉田一将 2014：山崎福也 2015：吉田正尚 2016：山岡泰輔 2017：○田嶋大樹(2)
