44の週刊リプレイ本紹介 4月分

twitterのやつをまとめました。
4月はネタ成分多めで結構頑張った気がするのですが、フォロワー以外からの反応はありませんでした。泡沫ついったらーだしちかたないね。

スーパーリプレイ三国志 (マルチプレイコレクション)


第14回は、シブサワ・コウ監修、F.E.A.R.編集の作品から、「スーパーリプレイ三国志 (マルチプレイコレクション)」を選びました。(初版発行日1994年12月30日)※今回はネタバレしまくりです
これは、光栄(現コーエーテクモ)の「三國志」シリーズ作品(コンシューマーゲーム版)においてマルチプレイした様子をリプレイにした作品になっています。とは言っても、本来のゲームの目的である中国統一を最終目標にしてしまうと、ダラダラ長く続くだけでなく、途中離脱するプレイヤーも出てしまうので、数時間で終わる独自ルールを設定(概ねゲーム内時間1年程度)しています。
著者陣は巻末に紹介があり、メインは臼木照晶氏のようです。臼木氏は当時F.E.A.R.所属で、以降RPG福袋やMtGのスタートブックなどを執筆しています。他にも、現在はD&D関係で活躍されている桂令夫氏が「記事構成」として、アリアンロッド・サガ・リプレイ・IFを執筆した現F.E.A.R.の営業部長の たのあきら氏が「監督」として、デスダンジョン制作の名手として名前が上がる関根博寿氏が「ルール考案・他」と記載があります。
本作には4編のリプレイが掲載されており、それぞれ別の三國志作品を用いていますが、プレイヤー4人は共通している設定です。簡単に説明すると、パワー系プレイの道治、堅実かつずる賢い祐二、抜け目のない性格の晴美、ゲーム初心者の香理となります。
1本目はスーパーファミコンSFC)の「スーパー三國志」を使用し、ルールは簡単に言うと、董卓シナリオで1年の間に一番多く領土を拡張した人が勝利となっています。君主(国)はプレイヤーが任意に選択し、道治:劉備、祐二:孫堅、晴美:曹操、香理:袁紹となりました。
この条件だけで、「スーパー三國志」ではなくともコーエー三國志をプレイした人ならすぐにピンとくると思うのですが、結果は祐二(孫堅)が圧勝します。董卓シナリオの孫堅は、周りに空白地が多く配下も多いので簡単に領土拡張できるのです。これはルール設定上のミスと言っても過言ではないでしょう。他にも初心者の香理から複数のプレーヤーで配下武将を引き抜くなどダメな部分もありますが、どちらかと言うと、そのまま記述してしまうことで、実際にプレイしているリアリティが高まってる気もします。
2本目は「三國志ゲームボーイ版」を使用し、初心者香理への指導という形をとっています。ルールは2人対戦で1年間の間に多くの武将を配下にした方が勝ちというものです。
今回は戦闘を簡略化しているシンプルモードを用いているのですが、これがかなりの足かせになっています。他のシリーズと違い短時間で終われるためにつけたと思われるシンプルモードですが、戦闘はランダム寄りでバラツキが大きく、空白地に攻め込むと確率で大量の兵が在野武将と一緒に湧いてきて戦闘になってしまい、しかも自分が1国のみだけなら負けた瞬間ゲームオーバーでは、そもそもプレイする条件として厳しいとしか言いようがありません。リプレイ中でも、香理操る呂布が兵力45、COMの関羽が兵力23で、シンプルモード故に戦闘中操作できない中で計略連打で呂布が負けており、これでは初心者がかわいそうすぎます。
3本目はSFCの「スーパー三國志II」、ルールは呂布シナリオで1年間、君主ごとに異なる勝利条件を設定し、それを満たしたものが勝ちとなっています。選択した君主は、道治:呂布、祐二:劉備、晴美:曹操、香理:袁紹となり、曹操袁紹は領土拡張・維持系、劉備は五虎将を4人以上集める、呂布は一騎打ちで6勝するのが勝利条件です。
呂布はもちろん一騎打ちではほぼ無敵ですが、COM相手だと武力差が大きく一騎打ちを受けてくれないため、ルールで一騎打ち拒否不能なPL国をイナゴ戦術的に狙うという展開になってしまい、盤面が荒れ呂布に狙われまくった晴美(曹操)は勝利条件を満たすのが不可能、香理(袁紹)は初心者故ルール把握できておらず公孫瓚戦で満足してしまう。祐二(劉備)はシナリオ上1年目に黄忠が登場しないという罠にハマるなどヒドイ結果に。最後は埋伏の張飛呂布と一騎打ちして耐えきり、呂布を5勝にとどめて勝利者なしというある意味劇的な結末でした。これはまあ1年という期間でバランスよくルール設定をするのは難しく、むしろ勝利者なしということはそれなりにバランス取れていたことの証かもしれません。
4本目はSFC版の「三國志III」、ルールは董卓シナリオで1年間、一人が董卓を担当し董卓を倒したものが勝利、董卓は守りきれば勝利というものです。選択した君主は、道治:劉備、祐二:董卓、晴美:曹操、香理:袁紹となりました。
序盤に道治(劉備)が韓馥を攻めますが、なんとここで兵糧不足で敗北し事実上ゲーム離脱という苦しい展開。三國志IIIは戦闘MAPが広く移動力が重要で、これには士気というパラメータを上げることが必要なんですが、これは兵の訓練度を上げる「訓練」*1とは別の「戦争準備」というコマンドを行う必要があるため、これを怠って移動力不足で敗北したと思われます。そんな中、晴美(曹操)・香理(袁紹)は地道に兵を蓄え戦力を充実させ、やることがなくなった劉備関羽曹操に埋伏させることで、なんとかゲームに参加してる感を得ます。
祐二(董卓)に対し先に攻め込んだのは袁紹でした。事前に曹操から共同作戦の申し出があった袁紹ですが、自力だけで十分とこれを拒否。そうならばと、曹操董卓への援軍*2を申し出ます。戦力に劣る董卓はこれを了承し、曹操軍も戦場に参加することになります。袁紹は戦力に勝りますが、顔良が勝手に呂布との一騎打ちを受け敗北するなど苦しい展開になります。
そこで、満を持して曹操が裏切り董卓軍に攻撃を仕掛けます。やぶれかぶれの董卓は挑発し、曹操軍の関羽からの一騎打ちを董卓本人が受諾する展開に。ここで一騎打ちで勝利し董卓を捕えれば曹操の勝利だったのですが、なんと、董卓関羽を下すという意外な展開に。しかし二人がかりで迫られては多勢に無勢、洛陽は袁紹支配下になりました。このまま洛陽を1ヶ月支配すれば、香理(袁紹)の勝利だったのですが…
ここでちょうど収入月が訪れ、董卓に搾取されまくっていた洛陽の民は当然のように住民反乱を起こし、袁紹の兵力にダメージを与えます。董卓の反撃は逆に攻撃することで相手の行動力を奪い防いだものの、なんとここで晴美(曹操)が同盟破棄し袁紹に攻撃を仕掛けます。兵力ではトントンだったものの、パニックになったせいか対応を誤り袁紹曹操に敗北。ついでに袁紹は斬首されてしまいました。こうなっては反撃も難しく、このまま晴美(曹操)の勝利となりました。
とツラツラと書いてきましたが、この展開ヒドすぎですね。香理は初心者を脱しつつあったとはいえ、さすがにマルチプレイでこれはやりすぎ感が否めません。とはいえ、そうしないと勝利者にはなれないわけで、協力部分と対戦部分のコンフリクトは難しいですね。
今日*3はエイプリルフールですが、これは架空の本ではなく実際に光栄から出版された本ですからね。写真も含めて本物ですと念をおしておきます。
それでは、よきリプレイライフを。

アリアンロッド・リプレイ・レジェンド(1) 貧乏姉妹の挑戦 (富士見ドラゴン・ブック)


第15回は、丹藤武敏氏の作品から、「アリアンロッド・リプレイ・レジェンド」シリーズを選びました。
著者の丹藤氏はF.E.A.R.所属の方でこの作品が初のリプレイ作品となります。元はシナリオを投稿していたそうで、その縁からF.E.A.R.所属となり、主にシナリオ執筆を担当していたと1巻に記載があります。
プレイヤーには、鈴吹太郎氏、田中信二氏、藤井忍氏に加え、(当時?)富士見書房編集の妹尾氏を迎えています。PCは、各巻のサブタイトルにある「貧乏姉妹」フレアとセレネを妹尾氏と藤井氏、中二病のユーノスを田中氏、ツッコミ役のドルを鈴吹氏がそれぞれ演じています。
背景は、冒険者としても商人としても成功し風雲児と異名を持つ「貧乏姉妹」の父親が、行方不明となり大負債を抱えてしまったため、その借金を返済するため、姉妹たち「コロローナ商会」は怪しいコロシアム「Fリーグ」に参加せざるを得なくなった、という設定です。
姉妹が双子だったり、借金返済をTRPGのメインシナリオに据えたりするのは定番ではあるのですが、このリプレイの面白いところは、その「Fリーグ」絡みで登場するNPC達が数多く登場し、いずれもインパクトの強い設定があるところです。
いくつか例を挙げると、

ゴージャスサンズ

金持ちの息子たちが道楽でFリーグに参加。金持ちなので、装備品は無駄に高いものを使用し(といってもアリアンロッドRPGは装備にレベル制限ありますが)、高価なクリスタルブレイドを無駄に使い捨てPC達に精神ダメージを与える。

セレスチャルフォース

ギルドメンバー全員が現在進行系で中二病に罹患しており、全員その「設定」の元に発言・行動する。ちなみに、ユーノスが以前所属していたギルドであり、その天使性(中二病性)の違いによりユーノスは袂を分かった過去がある。

など全部あげていくとキリがないのでこの辺にしますが、非常に濃い設定になっています。他にも多くの色物NPCが登場していますが、過去作からも「無印」のシグとシルヴァや、「ルージュ」で(ある意味)人気となったマティアスが借金取りとしてPC達をたびたび苦しめたり、ジュライが依頼人として登場したりするなど、過去作ファンへのサービスにもなっています。
NPC達があまりにイロモノすぎるので若干印象は薄れていたりもしますが、今作では、借金返済する心を上手にくすぐるようなトラップなどを「コロシアム」のイベントとして設定していたりするなど、シナリオ・ダンジョン面でもうまく設計されています。
PCたちも、妹尾氏演じる姉のフレアが普段は天真爛漫なキャラながらも、「天然ツッコミ」と作中で評される、とっさの返しが毒舌みたいになってしまうキャラ付け(PLの天然?)がうまくアクセントになっていて、個性溢れまくるNPCたちとのやり取りがうまく引き立っており、思わず笑いが出てしまう場面も多いです。
全体として笑いの成分が多めながらも、実はしっかりとシナリオが作成されており、初心者GM向けのリプレイでもあると思います。
それでは、よきリプレイライフを。

ロードス島戦記―英雄騎士スパーク (角川mini文庫 (133))


ロードス30周年ということで、突発で番外編を行います。
番外編の1回目は、水野良氏の作品から、「ロードス島戦記―英雄騎士スパーク」 を選びました。
写真を見てお分かりになるかと思いますが、これは文庫よりも更に小さいサイズ(新書の約半分)で刊行された作品になります。多分ですが、商業出版されたリプレイ本の中では、最もサイズが小さく、そして最も定価の安い(本体200円)の作品になるかと思います。
この作品は、上の写真のサイズ比較に置いてある、「ロードス島戦記III」の後日譚にあたります。とはいえ、IIIのリプレイがコンプティークに掲載されてから、8年後に行われたプレイのため、キャラ設定はそのままですが、歴史設定は小説版を準拠した形になっています。キャラ設定が以前のリプレイ準拠なので、主人公スパークの性格が小説版とはかなり異なり、大分おちゃらけたキャラになっていますので、小説版しか知らない人は違和感ありまくりどころか、ぜんぜん違う人に見えるかもしれません。
シナリオの方は短編ということもあり、そんなに複雑な要素もないのですが、小説の伏線を張って終了する(その伏線が回収されたかどうかは忘れてしまいましたが)のは珍しいかと思います。
水野氏のリプレイはキャラ同士の小気味のいい掛け合いを売りとしているため、このmini文庫とは非常に相性がよく、小さいサイズでしかもわずか128pながら、結構読み応えのある分量となっています。
小説版の主人公スパークしか知らない人も、リプレイ版のおちゃらけスパーク君に一度触れてみるのも見方が変わっていいかもしれません。
それでは、よきリプレイライフを。

【TRPGリプレイ】グランクレスト・リプレイ かけだし君主の魔王修業 (全2冊)


第16回は、中村やにお氏の作品から、「グランクレスト・リプレイ かけだし君主の魔王修業」シリーズを選びました*4
著者のやにお氏は、ダブルクロスリプレイのアカデミアとメビウスで今までのダブルクロスとは一風変わった作品を執筆しており、両リプレイとも声優が2名参加されているのですが、メビウスとアカデミアはその声優2名の特徴をうまく活かしたリプレイとなっています。
この作品のプレイヤーには、やはり声優の藤井ゆきよ氏を迎え、その脇をリプレイ常連の矢野俊策氏と田中天氏、そしてイラストレーターであり「モノトーンミュージアムRPG」の作者でもある、すがのたすく氏の3名が脇を固める布陣となっています。プレイヤーは4名ですが、導入も兼ねているのか第1話は藤井氏と矢野氏の2名のみの参加となっています。さて、グランクレストといえばもちろん「ロード」の扱いですが、そのロードである主人公のエルザを藤井氏が演じています。
当初は、未経験(?)の藤井氏の参加を考慮して、オーソドックスなゴブリン退治から始まる初心者向けリプレイを予定していたようです。しかし、そのゴブリンにGMが変なキャラ付けをしたことより、藤井氏演じるエルザからGMの想定にない発言が生まれ、物語は思わぬ方向に転がり始めます。

エルザ:(ゴブリンに)喋れるみたいだし、事情を聞きたい。 1巻83p

これは、ムダに松○修○氏のような「熱い」発言をゴブリンにさせてしまったGMの自業自得感もあるのですが、ゴブリン退治のシナリオでゴブリンの詳細な背景設定は通常しないことが多いと思います。
ここで作成済みの(当初の)第2話のシナリオを先取りし、そこと整合性を撮ったことでゴブリンにも事情がある設定になり、エルザがそれを助けに行く展開になってしまいました。ここから、「魔王」エルザの不殺の伝説が始まったのです。
雑に説明するとこんな感じで、ストーリーは良くも悪くもエルザの「誰も殺さない」キャラ設定に合わせて進行していきます。これを本来の世界設定に比して、「ヌルい」とか「お花畑」とか言うのは簡単ではありますが、2話以降で相反する概念をPC達にぶつけながらも、上手く行けばエルザのキャラ設定でもクリアできるシナリオを作成している やにおGMも流石だと思います。後半のシナリオギミックは初心者向けからはかなり逸脱している感は否めないところではありますが。
また、これは地味に重要だと思うのですが、1巻84pに

GM:……実は尋問されている展開を考えていなかった
(中略)
エルザ:あれ、じゃあ質問しないほうがいい?
GM:いえ、大丈夫ですよ

のように、PLからGMに確認している記述があります。ともすればGMの想定していない所にわざと踏み込みたがるようなPLもいる中、このようにシナリオの進行を双方で確認をとっていることを明文化しているのはいいことだと思います。無理にアドリブだらけにさせてシナリオが無茶苦茶になってしまっては、いいセッションにはならないでしょうしね。
このように、藤井氏の個性が溢れるリプレイですが、勢いを殺さず上手く表現している作品だと思います。そういえば、今日*5はミリシタで藤井氏演じる所恵美の誕生日(4/15)ですね。ちなみに、自分は恵美Pです(関係ない)。
それでは、よきリプレイライフを。

決戦! 本能寺 ?新撰組、参る? Replay:天下繚乱RPG (integral)

決戦! 本能寺 ?新撰組、参る? Replay:天下繚乱RPG (integral)

決戦! 本能寺 ?新撰組、参る? Replay:天下繚乱RPG (integral)


第17回は、華南恋氏の作品から、「決戦! 本能寺 −新撰組、参る− Replay:天下繚乱RPG」を選びました。
天下繚乱RPGは、スタンダードRPGシステム(SRS)を使用している作品で、江戸後期の化政時代にて勧善懲悪的な時代劇をプレイする作品です。しかし、ただの江戸時代ではなく、「時空破断」という時空の歪みが発生し、過去と現在と未来がごちゃごちゃになった世界であり、時空破断により過去の閻羅王(世界を混乱させる親玉達)が化政時代に集結しています。PC達は、宿星によって妖異(閻羅王の手下)と戦うことを宿命づけられた「英傑」となり、妖異や閻羅王が引き起こす事件に対処していくのが基本となります。
公式において閻羅王は、菅原道真、白面の君、由井正雪天草四郎時貞織田信長の5名の人物が挙げられています。この作品は、高レベルPCを扱ったリプレイです。タイトルからも想像つくように、化政ではなく戦国時代が舞台ということで、閻羅王の織田信長が登場しています。
著者の華南氏は、主にゲームライターとして活躍されているようですが、商業出版の書籍では、これが初の作品のようです。TRPG関係だと、カオスフレアの「暁の戦士たち」にもPLとして参加しています。小太刀右京氏の「後輩」と書かれていますが、何の後輩かは分かりません。
PLには、戦国時代に召喚された新選組隊士 新井志ノ助をイラストレーターの渋沢佳奈氏、第二の主人公である明智光秀イラストレーターの すがのたすく氏、秀吉に仕える忍の夜宵(三十路女性)を合鴨ひろゆき氏、イエズス会の幼女シスター シンシアを しのとうこ氏が演じており、さながらイラストレーターセッションの様相を呈しています。巻末に各氏が描いたPCの設定資料が掲載されてはおりますが、イラストは しのとうこ氏だけですね。PL4名の顔ぶれを見て気づかれた方もいるでしょうが、GMも含め全員が女性で構成されています。
女性だけのリプレイは他には記憶がなく、事実上明示されているのは今の所これだけかもしれません。ソード・ワールド2.0の「魔法少女フェアリーフォース」もなんとなく女性だけっぽいですが、確認してみるとPLが全員女性だという明言はありませんでした(多分)。
ストーリーは、志ノ助の召喚のキーとなったNPCヒロイン雫と志ノ助との心の交流と、タイトルの「決戦! 本能寺」に向けて、閻羅王と化していく信長に対峙する光秀の決意を描いていきます。このリプレイは、PL全員のロールプレイが非常に光っている作品です。
渋沢氏はカオスフレアのリプレイでも主人公を演じていますが、志ノ助は分かりやすいキャラ設定ながらも、そこからブレることもなく最後まで自分の意志を通していきます。光秀はときおり中のオチャメな中の人すがの氏が顔を出したりはしますが、信長との関係に悩みながらも決断していく、明智光秀の生き様を魅せてくれます。夜宵は設定年齢相応(?)の包容力、シンシアも幼女ロールプレイが光っています。(何じゃそりゃ)
シナリオは、明智光秀が天下繚乱RPGの根本設定に深く関わっている天海僧正だったり、ラスボスが公式にも明示されている閻羅王織田信長だったりということもあって、若干吟遊気味な部分はありますが、リプレイとしては全然許容範囲だと思います。
そういえば、2020年度の大河ドラマ明智光秀が選ばれたみたいですね(白々しい)。これを期に、明智光秀天海僧正)が重要な立ち位置となっている天下繚乱RPGのリプレイに触れてみるのはいかがでしょうか。
それでは、よきリプレイライフを。

クトゥルフ神話TRPGリプレイ るるいえあんてぃーく るるいえシリーズ(コミック) (ログインテーブルトークRPGシリーズ)


第18回は、結ゆい氏の作品から、「クトゥルフ神話TRPGリプレイ るるいえあんてぃーく」(るるいえシリーズ)を選びました。
タイトルと画像に違和感を覚えた方もいらっしゃるかもしれませんが、這い寄るイラストレータ弧印氏を起用した、内山靖二郎氏作のリプレイ「るるいえあんてぃーく」(るるいえシリーズ)のコミカライズ版になります。キャラクターはもちろんリプレイ版と共通です。

樋口さやか(17)

女子高生探偵(見習い)。好奇心旺盛な性格で空手キックが得意。なお、コミカライズでは省略されていますが、空手キックの威力は半端なく、スイカをかち割ったり一般人を蹴り殺しかけたりしています。

辰巳源吾郎(65)

裏の主人公。御津門大学所属の高名な心理学教授。その立場やコネと幅広い知識技能で他のメンバーをサポート。

安針塚京(20)

辰巳に心酔する押しかけメイド。実はいいとこのお嬢さんだが、そのせいか正気度の初期値が低く、1巻後半で……

佐々原環(20)

大学生にして小説家でしかもイケメンという許されざる設定(オイ)。教授に運転技能がないため、車の運転をする場面が多い。

日野睦(16)

2巻から登場。通称むったん。さやかの同級生で正拳突きが得意だが、機械修理技能で役に立つ場面も多い。京と中の人が同じ。

余談ですが、同じクトゥルフ関係の「這いよれ!ニャル子さん」のアニメで、モブキャラとして さやかと睦が登場したり*6、オープニングに登場するキャラシーに京のものが使われたりもしています*7
閑話休題。るるいえシリーズはリプレイ版では3話構成が基本となっていますが、コミカライズでは、この1話を約20〜30頁ずつの前後編で描いています。そのため、描写の都合上カットされた部分もありますが、基本的にはリプレイと同じ展開がされています。自分は、リプレイ2巻の発売当時、ブコメに「表紙に騙されちゃダメ」と書いていますが*8、コミカライズ版はさやか達がメインではあるものの、ホラー要素が十二分に出ているため、ホラー要素で表紙に騙されるということはあまりないかもしれません。
ただ、これはリプレイ版でも文章で描写はされていたのですが、単発挿絵だけではなく漫画で書かれると、グロ要素のインパクトが非常に大きいです(もちろん個人差はあるでしょうけど)。ですので、グロ要素が苦手な人はよく考えてお手に取られたほうがいいかもしれません。
リプレイ版は完結したようですが、るるいえシリーズはアニメ化できるポテンシャルを持っていると思っているので、コミカライズ版も含め今後の展開に期待したいです。
それでは、よきリプレイライフを。

*1:一応、訓練でも士気はある程度までは上がります。

*2:IIIでは同盟を結んでなくても援軍を送れる

*3:tweet投稿日4/1

*4:こちらでもちょこっと紹介していますが、ご容赦ください……

*5:tweet投稿日4/15

*6:http://cthulhu.hatenablog.jp/entry/20120425/p1 参照

*7:http://hikidashinonakami.cocolog-nifty.com/blog/2012/04/post-d675.html 参照

*8:http://b.hatena.ne.jp/entry/27031418/comment/shijuushi